一戸建ての建替えに必要な費用

建替えに必要な工程は「解体工事」と「建築工事」の2つに大別することができます。

また、太田市・桐生市・みどり市・伊勢崎市・足利市でお住まいの土地の地盤の状態によっては「地盤調査・地盤改良」が必要なケースもあります。

ここではまず、それぞれの費用の目安について見ていきましょう。

解体工事費の目安

解体工事費は、一般的な木造住宅で「坪単価4～5万円」が相場とされています。

また、軽量鉄骨造で「坪単価6～7万円」、鉄筋コンクリート造なら「坪単価6～8万円」が目安です。

ただ、解体工事のコストは建物の構造だけでなく、立地や建物の状態によっても異なります。

そのため、いくつかの施工会社に見積もりを依頼し、比較しながら相場を把握することが大切です。

建築工事費の目安

建築工事費は「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つに分かれます。

本体工事費は、言葉のとおり建物の本体を建てるために必要な費用であり、金額の目安は工事費全体の7割程度に相当します。

付帯工事費は、ガスの配管や給排水設備工事、エアコン設置などにかかる費用のことであり、金額は工事費全体の約2割。

そして、諸経費は各種手数料や税金、その他建築に必要なコストの総称であり、費用は全体の約1割にあたります。

本体工事費は住まいの広さや設備のグレードによって変わり、ローコストなもので1,000万円台、最新の設備や素材を導入すると2,000万円台、希望の大半を実現させるためには3,000万円台が目安です。

また、本体工事費は、解体工事費と同じように坪単価で表記されることが多いです。

地盤調査・地盤改良費用

一戸建ての地盤調査において一般的に用いられるスクリューウエイト貫入（SWS）試験は、5～10万円程度の費用がかかります。そのうえで、改良が必要となった場合には、別途で工事費用が発生します。

地盤改良の費用相場は、もっとも安く済む「表層改良工事」で30～50万円程度、作業範囲がより地中深くなる「柱状改良工法」で70～100万円程度です。

改良の手法は、土地の状態や新たに建てたい建物の種類によっても異なるため、地盤調査の段階で専門家に相談しておきましょう。

建替えに利用できるローンの仕組み

これまで住んでいた家の住宅ローンをすでに払い終えている場合は、建替えの費用として新たに住宅ローンを組むことができます。

しかし、まだ住宅ローンが残っている場合には、本来そちらを完済してからでなければ新たなローンを利用することができません。

ただ、建替えを行うケースについては、これまでのローンが残っていても利用できるプランがいくつかあります。ここでは、具体的な仕組みを解説します。

建替えローン

建替えローンは、“住み替えローン”とも呼ばれており、「現行のローン残高と建替えで借りるローンを一本化する」方法です。

建替えローンでは、融資が実行されるタイミングで残債を清算し、新規で借りる分に上乗せする形で返済をしていくことになります。

借入先が集約され、返済計画がシンプルになるため、建替えにおいては広く利用されているプランです。

親子リレーローンを検討するのもひとつ

しかし、建替えローンは、借入額が大きくなることから、審査に通過するのが難しいケースや、借入時の年齢によっては返済期間を長くとれず、融資限度額が少なくなってしまうこともあります。

そこで、太田市・桐生市・みどり市・伊勢崎市・足利市で建替え後の住宅に子ども世帯と住むのであれば、親子リレーローンを検討してみるのもひとつの方法です。

2人分の収入で申請できるため、審査のハードルが下がるとともに、融資限度額も広がります。

つなぎ融資の仕組みと注意点

住宅ローンを利用する際には、「融資を受けられるタイミング」に注意しておく必要があります。

というのも、通常の住宅ローンは「建物が完成した段階で融資が下りる」仕組みとなっているからです。

そのため、諸費用や着工金といった完成前に発生する費用は、原則として現金で用意する必要があります。

そこで、タイムラグを解消する方法として「つなぎ融資」の仕組みを押さえておきましょう。

つなぎ融資とは、住宅ローンの融資が実行されるまでの期間に発生する費用を借りられる仕組みです。この融資を利用すれば、手元に十分な現金がなくても、問題なく工事をスタートすることができるのです。

ただ、つなぎ融資は住宅ローン本体とは別個に扱われ、通常よりも金利が高く手数料もかかります。また、通常は利息分や手数料をあらかじめ差し引かれた状態で振り込まれるため、差額分はいずれにしても現金で賄わなければなりません。

そのため、金融機関と具体的な金額を相談しながら、自己資金をどのくらい用意すべきか把握しておくことが大切です。

住宅ローン残債がある状態で新たにローンを組めないケース

前述のように、建替えローンは、基本的に住宅ローン残債があっても利用できます。

しかし、状況によっては審査に通らないこともあるため注意が必要です。

新たに住宅ローンを組めないケースとしては、以下のようなパターンが挙げられます。

住宅ローンを借りるためには、土地と建物の両方を担保に設定する必要があります。そのため、借地に建てる場合など土地の所有者でないケースでは、住宅ローン審査に通らない可能性もあります。

また、収入が十分でないなど、返済能力に問題がある場合も審査の通過が厳しくなります。特に建替えの場合は、新築で建てたときよりも債務者の加齢による影響が生まれるため、収入が低下していなくても注意が必要です。

さらに、返済能力とともに重要なのが、個人信用情報に関するポイントです。「住宅ローンの滞納履歴がある」「住宅ローン以外にも高額のローンを利用している」といった場合には、審査で落ちてしまうことも珍しくありません。

また、前面道路との関係性などによって、土地が「再建築不可」となっている場合はそもそも建替え自体が行えません。そのため、事前に土地の状態もチェックしておく必要があります。

新たなローンに不安がある場合はリフォームにも目を向けてみよう

一般的に、建替えよりもリフォームのほうがコストは安くなる傾向があります。

そのため、ローンの負担や審査に不安がある場合は、リフォームにも目を向けておきましょう。

ここでは、リフォームの費用相場と、建替えとの判断基準について解説します。

リフォーム費用の相場

リフォームの費用は施工箇所によって異なり、以下の表が相場となります。

このように、施工箇所がある程度限定されているのであれば、建替えよりもリフォームのほうがコストを大きく削減することが可能です。

また、部分リフォームであれば、建替えのように引越しや仮住まいを探さなくても、入居したまま施工してもらうこともできます。

リフォームと建替えの判断基準

適した方法を見極めるうえで、大きな手掛かりとなるのが「築年数」です。

一般的には築30年を超えると建替えを検討する時期とされており、それまでであればリフォームで十分となるケースも少なくありません。

もちろん、メンテナンスの度合いによっても家の状態は大きく異なるので、築年数はあくまでも目安のひとつとしてとらえておくことが大切です。

ただ、1981年以前に建てられた住宅については、「旧耐震基準」にのっとってつくられていると考えられるため、コストと安全性の両面において、建替えを行ったほうがいいケースが多いです。

また、現在の住まいの状態について知りたい場合は、専門家による「ホームインスペクション」を受けてみるのもひとつの方法です。

ホームインスペクションでは、自分では確かめられない構造・設備の劣化具合をチェックしてもらえるため、太田市・桐生市・みどり市・伊勢崎市・足利市のご自宅をリフォームか建替えかを判断するうえで大きな手掛かりとなります。

まとめ

●建替えのコストについては、解体工事費、建築工事費、地盤関連費用に目を向けておく

●旧居のローンが残っている場合は、建替えローンの利用を検討する

●審査の通過が難しい場合は、親子リレーローンを検討するのもひとつの方法

●建替えには大きな費用がかかるため、リフォームをした場合と慎重に比較検討する