【イエテラスの新築コラム】ZEH(ゼッチ)とは?【太田市・桐生市・みどり市・伊勢崎市・足利市で新築住宅をお考えの方へ】
- 2021年01月20日
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皆さまこんにちは!
いえとち本舗 群馬東毛店の吉田 です!
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ZEHという用語を聞いたことはありますか?
家づくりを進めていくときっと耳にするであろうこの言葉を今回は掘り下げてみたいと思います。
ZEHとは「使うエネルギー≦創るエネルギー」になる住宅
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略。ひと言で言えば「使うエネルギー≦創るエネルギー」になる住宅を指します。厳密には設計一次エネルギーの消費量と創るエネルギー量の収支をゼロ以下にする住宅なのですが、ややこしいのでまずは「使うエネルギー≦創るエネルギー」で覚えましょう。
※ちなみに、上記のとおりZEHの「H」はハウスを指すため、「ZEH住宅」ではなく「ZEH」が正しい表記。分かりやすくするために、ここでは「ZEH住宅」と記載しています。
ZEHとして認められると補助金を受けることができます(※建築スケジュールと補助金のスケジュールが合う場合に限る)。そのためには細かな要件が定められていますが、そのポイントは「断熱」「省エネ」「創エネ」という3つの要素です。
●断熱
ZEHとして認定されるためには暑さや寒さに影響されにくいよう断熱性能を高めることが必要です。具体的には断熱材や窓の性能を高めます。断熱性能が上がれば、冷暖房に使うエネルギーを減らすことができます。
●省エネ
「省エネ」にはHEMS(ヘムス)という、住宅内の消費エネルギーと太陽光発電等で創るエネルギーを確認できるシステムが必要になります。また省エネタイプのエアコンや、少ないエネルギーでお湯を沸かせる高効率な給湯システム、消費電力の少ないLED照明などの導入が必要になります。
●創エネ
ZEHでは太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーシステムを備えることが求められます。この「創エネ」で創り出すエネルギーが、消費するエネルギーを上回るようにしなければなりません。
高断熱化によって住宅内の温度差が小さくなるため、ZEHはヒートショックのリスクを低減することができます。酷暑や厳寒を我慢しなくても、エアコンの効きがよいため省エネでも快適に過ごせます。太陽光発電があれば停電時でも電気を使えます。つまり光熱費を抑えられるだけでなく、安心で快適な暮らしが可能になることがZEHのメリットなのです。
ZEHの種類は3つ
さて、ZEHといっても現在一戸建ての場合では以下の3つの種類に分けられています。いずれのZEHにも国による補助金制度があります。
●ZEH
「断熱」+「省エネ」による省エネルギー率:20%以上
「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:100%以上
●Nearly ZEH(ニアリー ゼッチ)/補助金対象は寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る(※)
「断熱」+「省エネ」による省エネルギー率:20%以上
「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:75%以上
●ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド)/補助金対象は都市部狭小地の二階建て以上に限る
「断熱」+「省エネ」による省エネルギー率:20%以上
「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:再生エネルギーを導入しなくてもいい
都市部狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域(第一種及び第二種低層住宅専用地域並びに第一種及び第二種中高層専用地域)等であって敷地面積が85m2未満である土地。但し、住宅が平屋建ての場合は除く)に建築される場合に限る。
●ZEH +(ゼッチ プラス)
「断熱」+「省エネ」による省エネルギー率:25%以上
「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:100%以上
さらに以下の(a)~(c)より2項目以上をクリア
(a)断熱性能の更なる強化
(b)HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能
(c)太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能
●Nearly ZEH +(ニアリー ゼッチ プラス)/補助金対象は寒冷地、低日射地域、多雪地域に限る(※)
「断熱」+「省エネ」による省エネルギー率:25%以上
「創エネ」(再生可能エネルギー)を含む省エネ率:75%以上
さらに以下の(a)~(c)より2項目以上をクリア
(a)断熱性能の更なる強化
(b)HEMSにより太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等を制御可能
(c)太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車等に充電可能
※「寒冷地」の詳細な定義があるが、複雑なためここでは省略
まず「Nearly(ニアリー)」がつくNearly ZEHやNearly ZEH +は、寒冷地など太陽光による発電量が不利なエリアでも、緩和した太陽光発電の要件を満たしていればZEHとして認めるというものです。
また(2)ZEH Orientedは、都市部の狭小地で、太陽光発電システムを備えてもあまり発電量が見込めない住宅でも、太陽光発電以外の要件を満たしていればZEHとして認めるというもの。しかも創エネはZEHに必要だと言いましたが、この(2)ZEH Orientedに限ってはそれがなくてもいいのです。
つまり「Nearly」と「Oriented」は、ZEHの裾野を広げるために設けられたものです。
その一方で「プラス」がつく(3)ZEH +やNearly ZEH +は、ひと言で言うと(1)ZEHよりも高性能なものです。「断熱」と「省エネ」によるエネルギーの削減率は、他が20%以上なのに対して25%と高く定められています。さらに、太陽光発電で創ったエネルギーを、電力会社に売電するのではなく自宅で消費することを促すために、「創エネ」を自家消費しやすくなるよう3要件が追加(そのうち2つ以上をクリア)されています。
「プラス」がつくZEHが登場した背景には、太陽光発電システムの普及を促すために設けられた太陽光発電の固定価格買取制度があります。
太陽光発電の設置価格は年々低下している
「断熱」・「省エネ」化し、「創エネ」を備えるわけですから、どうしても建築コストは非ZEHの住宅よりかかります。しかし国の目標は「2020年までに標準的な新築住宅をZEHに、2030年までに新築住宅の平均がZEHになること」。つまり、もうすぐZEHが当たり前の住宅になるのです。
ZEHを建てるのは義務ではありませんから非ZEHの住宅を建てても罰則はありません。しかしこれから何十年も住む家を建てようと思うなら、いつまでも周囲の住宅と比較して省エネスペックが劣ることなく、長期間にわたって光熱費を抑えられて、酷暑や厳寒でも快適に過ごせるZEHを選ぶほうがよいのではないでしょうか。
ちなみに太陽光発電の買取価格は年々下がっていますが(※2)、設置する費用も年々下がっています。買取価格もシステム費用も、日本より安い欧米なみにまで抑えることを国は目指しています。
※2 2018年度の10kW未満の買取価格は、出力制御対応機器設置義務なしが26円/kWh、出力制御対応機器設置義務ありが28円/kWh
ZEHは「光熱費0円の家」とイコール?
「使うエネルギー≦創るエネルギー」になるZEH。こう言うと「使うエネルギーがゼロ以下ってことは光熱費がタダになる家ってこと?」と誤解されやすいのですが、ゼロ以下になるのは「エネルギー」であって「お金」ではありません。
「またZEHの削減目標となるエネルギー消費量には、テレビや電子レンジなどの家電による消費量が入っていません。契約する電力・ガス会社や料金プランによっても光熱費は変わってきます。ZEHだから光熱費が必ずゼロになるというわけではありません」
とはいえ、実際には光熱費がかなり抑えられるだけでなく、光熱費の収支では黒字になるZEHが多いようです。
年間平均エネルギー購入額 | 13万1781円/戸 |
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年間平均売電額 | 16万5304円/戸 |
年間平均エネルギーコスト収支 | +3万3523円/戸 |
2016年4月~2017年3月の1年間のエネルギーコスト収支。対象は2514戸(出典/環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業調査発表会2017」 より)
2021年(令和3年)最新情報
環境省より本年度の戸建住宅のZEH化支援事業の内容が発表されました。
気になる補助についてまとめてみました。
●戸建住宅の高断熱化による省エネ・省CO2化を支援するため、以下の補助を行う。
①戸建住宅(注文・建売)において、ZEH※の交付要件を満たす住宅を
新築・改修する者に対する補助:60万円/戸
②ZEH以上の省エネ、設備の効率的運用等により再エネの自家消費率拡大を目指した
戸建住宅(ZEH+)に対する定額補助:105万円/戸
③①、②に系統連系対応型蓄電池を設置、低炭素化に資する素材(CLT(直交集成板)等)を
一定量以上使用、又は先進的再エネ熱利用技術を活用する場合に別途補助:蓄電池2万円/kWh
(上限額20万円/台)等
④既存戸建住宅の断熱リフォームに対し1/3補助
(上限120万円/戸。蓄電池、電気ヒートポンプ式給湯機、熱交換型換気設備等への別途補助)
以上のようにZEHは国も推進している、もうすぐ当たり前になるであろう住宅の姿。
今から家を建てるなら光熱費を抑えられて、年中快適に過ごせるZEHを検討しましょう。
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